タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ155>
   『感謝する者とされる者』

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<ツボの説明>

  お客サンにもいろいろな種類があります。

  こちらが利益度外視でサービスや智恵を提供し、手取り足取り
 サポートをしてあげても、あたりまえのような顔をしている人も
 いれば、たった一回こっきりの取引で、商売として平均的な条件
 で仕事をこなしただけなのに、「あのレポートのおかげで会社が
 見違えるほど良くなった。本当にありがとう」などといって、
 ちょっとした手土産を持って報告に来てくれたりする方もいます。

  どう見ても後者の人は、こちらの出したちょっとしたヒントを
 基にして、自分で考え、行動し、人並み以上の努力を行なった結
 果として自分の会社の業績を向上させたと思われるのに、このよ
 うな人のほうが周囲の助力のありがたみを強く感じているのです。


  ここでいえることは、「本当に強い人だけが適切な感謝をする
 ことができる」ということです。


  「借りを作るのがイヤだから助力はいらない」といって他人に
 なにかしてもらうことを避けようとする人や、「自分の方が偉い
 から、自分の方が優れているから、そいつに何かしてもらえるの
 はあたりまえである」というかのように振舞う人というのは、だ
 れかに感謝するということはその人よりも低い立場になるという
 ことであると考えている節があります。

  これは「感謝される者は偉い者であり、感謝する者というはそ
 れよりも劣った下等な者である」というゆがんだ感情です。

  そして、他人に対して低い立場になることを恐れるあまり、感
 謝しなければならなくなるようなことはどんなに些細なことであっ
 ても拒絶しようとしたり、その程度のことはしてもらえて当然の
 ことであるといわんばかりの態度をとったりするのです。


  ビジネスの相手を選ぶとき、このような「相手の本当の強さ」
 を見極めて、そのような相手だけを選択してゆくと、あなたのビ
 ジネスの基盤は強力になります。

  強いものだけが集まったビジネスユニットは、そうでないものより
 も問題解決能力と問題解決のスピードがはるかに高くなるからです。

  仕入先や販売先に対する「選択と集中」はこのような観点から
 も重要となります。

  そして、強いものを見極める際にはこの「感謝の仕方」という
 部分が判断基準として使えます。


  ただし、たまになんでもかんでもやたらと感謝しまくるという、
 感謝乱発型の人に出っくわすことがありますが、こういうタイプ
 の方は「本当に強い人」とは少し違いますから注意が必要です。

  「本当に感謝する心」というのは、そうそう簡単に湧き上がっ
 てくるものではないからです。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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