タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ225>
    『逆流する営業』

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<ツボの説明>

  市場の成長度や商品の競争優位性が高い場合には、新規顧客へ
 積極的に働きかけて取引先数の増加を狙うのが効果的。

  一方、市場成長度も商品競争力も高くない場合には、既存顧客
 との関係性を高め、得意先一軒あたりの収益向上を目指すべき。


  では、顧客関係性を高めるためにはどうすれば良いですか?

  「担当者とのコンタクトを密にして、色々な情報を聞き出せ。
 その中から、わが社の商売に結びつきそうなネタを探し、提案に
 結び付けてゆこう」

  はい。正解です。
 
  相手が抱えている課題を見つけ出し、その達成に必要な物やサー
 ビスを提案すれば、相手としても話しに乗りやすい。

  ところが、実際にはなかなかうまくゆかない。自社のビジネスに
 マッチする相手の課題というのが見つけられない。


  ルートセールスの営業マンというのは、「相手方とのコンタクト
 を密にせよ」といわれると、たいていの場合得意先の発注担当者
 や営業マンと接触し情報を得ようとする。

  しかし、そこから本当に欲しい情報が得られることは少ない。

  その原因は、発注担当者や営業マンというのは、会社の課題を
 明確に意識してはいないというところにある。

  基本的に、仕入れであれ販売であれ、現場の一担当者に与えられ
 ている職務というのは限定的であることが多い。彼らと話をする
 ことによって、現場の問題意識は共有できる。それを解決するため
 の提案にはそれなりの効果を期待できるであろうが、実は現場の
 問題意識もとづく要望というものは、日ごろから投げかけられて
 いるものなので、新しい需要に結びついてはゆかない。


  得意先にとっての「企業レベルの課題」とは、より上のポジション
 にいる人や上位階層の組織において認識されているものである。

  課題を発見し提案してゆく相手というのは、日ごろ接触している
 担当者ではなく、もっと上流にさかのぼった所に居る。

  従って、若手営業マンに「もっと情報とって来い」といっても
 なかなか成果は上がらない。

  相手企業の組織を少しずつ逆流し、上位にコンタクトする。その
 とき必要であれば、こちらもそれなりの立場の者が同行する。こち
 らにも「組織力」が要求される取り組みが必要なのである。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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