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 <本日のツボ39>
    『決断と権威の関係』

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<ツボの説明>

  「事実が確認できるまでは決断を下せない」と考えることは、
 実は問題を先送りしているのと同じことになってしまう危険を
 はらんでいます。

  「事実」にこだわりすぎるあまり、決断が必要なときにそれ
 を行なわないでいると、へたをすると周りの人から「無責任な
 人だ」という烙印をおされかねません。


  反対に「現場」「現物」「現実(事実)」をまったく確認せ
 ずに決断を下すことは、目隠しして運転をしているのと同じこと
 であり、大変危険です。

  経験豊富なビジネスリーダーの中にも、この「目隠し運転」
 をしてしまいがちな方がいらっしゃいます。

  こういう方は経験が豊富なために生じる「思い込み」を事実の
 かわりに使っていて、「見えたつもり運転」になっているのです。


  「決断を下す」ということが組織リーダーの重要な役割である
 以上は、決断しないまま放置するわけにはいきません。

  そこで何らかの方法で意思決定を行い、決断を下すことになる
 わけですが、目隠し運転ではいつかは事故を起こしてしまいます。

  やはり、情報とデータである程度の視界を確保しておいて、
 それでも実際には見えないところがたくさんあるということを
 認識した上で、できるかぎり正しいと思われる決断を下してゆく
 しかないわけです。

  このときに視界を補助するものは、「経験からくる思い込み」
 ではなく、「経験に裏打ちされた勇気」です。


  決断した結果が失敗に終わることもあります。

  だれでにでも「失敗はしたくない」という気持ちがあります。
 リーダーといえども、「失敗を回避したい」と思うのは当然の
 ことです。

  偉いリーダーほど「エライ自分の権威を守るため」に失敗は
 したくないという気持ちが強くなります。

  しかしそのような偉いリーダーが、その権力を行使して決断
 を先送りしたり、他人にたらい回しをしたりしたらどうなるで
 しょうか?

  そのときは「自分の決断による失敗」をしないようにするこ
 とで、一旦は権威が守れたようにも感じるかもしれませんが、
 部下たちの目には、権力を行使したことによってこのリーダーの
 権威が失墜したことはあきらかなのです。


  権力を行使せずに「勇気を持って決断を下す」ことで、この
 リーダーの権威というものは磨かれてゆきます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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