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2006年1月18日


  <本日のツボ3>
     『同族会社という言葉の鍵は』

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<ツボの説明>

 「一族でない者と同等の能力をもち、同等以上に
 よく働くもの以外は同族会社で働かせてはならない」
 
  P.ドラッカーは、会社の大部分は規模の大小に
 関係なく同族会社である ということを認識した上で
 このように指摘しました。
  さらに、「できの悪い甥を働きに来させるくらい
 なら、働きに来ないよう金をやった方が安くつく」
 と続けています。

  たしかに会社の大部分は同族会社です。そして
 一族の者の処遇に悩んだり、実際に苦労をしている
 経営者はとても多いものです。現実的には「働きに
 来ないようにするために金をやる」というわけには
 いかない場合が多いし、よほどの大家族でもない限り
 苦労して後継者を育てなければ事業の継承すらでき
 なくなってしまうことになりかねないからです。
  「働きに来ないように金をやる」方法では、いつ
 までたっても後継者ができないのです。

  ここでは必要以上に厳しい立場に配置してしごいたり
 能力以上の権限を与えてしまうような処遇が起こりがち
 ですが、それらはどちらもあまり得策とはいえない「特
 別待遇」です。前者は、本人の受け止め方次第では能力
 開発の面でマイナスとなる可能性があるし、後者は当然、
 一族以外の社員のやる気を大きく削いでしまうことに
 なります。
  結局は、一族の者もそうでない者も同じように扱う
 しかないということです。もう悩むのはやめて、会社に
 とって最適であると思われる配置と処遇を行ないましょう。
 そういう対応をしている会社ほど、うまく後継者が育ち
 他の社員との確執も少なく、事業継承がスムースに進んで
 いるように見受けられます。

  ドラッカーの結論も『「同族会社」という言葉で鍵と
 なるのは、同族ではない。会社の方である。』です。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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