タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ121>
   『接着剤で差別化する』

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<ツボの説明>

  商品やサービスに競争相手と明確な差を設けることができない
 場合には、固定客と自社を結び付けている接着剤が何であるかを
 特定することも難しくなります。

  実際、世の中のビジネスの大半はそのように他社との明確な差
 別化は困難なまま行なわれています。


  そのようなビジネスにも固定客は存在します。ただし、固定客
 によってそれぞれ接着剤が異なっている可能性が高い。

  「店の場所が一番行きやすいところにあるから」

  とか

  「ほかの同業他社をよく知らないから」

  といった具合に、お客さんによってそれぞれ違うちょっとした
 理由で、とりあえず固定客になっている場合が多いといえます。

  このような顧客は固定客といってもその固定の度合いは低く、
 簡単に競争相手に流れていってしまうことが考えられます。


  このようなケースでは、新しい接着剤を提供して、その接着剤
 で顧客を自店に固定化する という対応策が考えられます。

  たとえば、食事のあとレジでレシートと一緒に渡される「次回
 100円割引クーポン」などがそれです。


  この新たに提供する接着剤は、顧客にとってその価値が高けれ
 ば高いほど、その顧客とお店(会社)をつなぐ接着力が強くなる
 ことはいうまでもありません。

  割引クーポンなら割引する額面がその価値となりますが、情報
 レターだった場合にはどうでしょうか?

  おそらく受け取ったお客さんによって感じる価値は様々という
 ことになるのでしょう。


  ある卸売り業者さんは、請求書を送るときに自社の取扱商品の
 ちょっと変わった使い方を写真つきで紹介する、手作り情報レター
 をつけています。

  こういったものが、顧客である小売店さんにとてもありがたが
 られています。

  そのような「ありきたりの商品の使い方に関するちょっとした
 アイディア」が、小売店の店頭で販売促進に使えるからです。


  商品そのものでの差別化ができなくても、独自の接着剤に工夫
 をこらすことでビジネスの差別化をはかることは可能です。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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