タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ129>
   『信頼感を与えよ』

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<ツボの説明>

  パフォーマンスの高い組織には、自分の属するチームあるいは
 その上位組織、会社そのものにたいする信頼感が高い傾向があり
 ます。

  これは、「所属する組織が信頼するに値するものである」こと
 が従業員にとって衛生要因であるからです。

  衛生要因とは、仕事に対する意欲を積極的に促進する要因(こ
 れを動機付け要因といいます)ではないが、それがないと不満を
 感じてしまう要因のことです。

  いわば会社そのものに対する信頼感は「あってあたりまえ」の
 ものなのです。

  あってあたりまえなだけに、これが不足すると、他にどんなに
 魅力的な動機付けを与えたとしても、仕事に対する積極的な意欲
 を引き出すことがむずかしくなってしまいます。


  大会社従業員の場合には、一般消費者と同様に、会社の知名度
 や事業の意義、財界や業界内での地位などといった社会的ポジショ
 ンによって信頼感が上下します。

  しかし、多くの中小企業には社会的ポジションを評価する尺度
 や機会が与えられないため、従業員はそういったもので会社に対
 する信頼感の過多を決めることができません。

  では、実際の中小企業従業員はどのようなものを尺度にして会
 社を信頼したりしなかったりするのでしょうか?


  月給やボーナスの額というのは、満足感には大きく影響します
 が、信頼感にとっては限定的な要因でしかありません。

  中小企業従業員が会社に対する信頼感を感じるときに尺度とし
 ているのは、ほとんどの場合「経営者そのもの」です。


  うちの社長は信頼できる = うちの会社は信頼できる

 ということなのです。


  従業員が経営者の信頼感をはかる場合の視点はふたつあります。

  ひとつは「経営手腕」であり、もうひとつは「人間性」です。

  先ほど「月給やボーナスの額は、信頼感にとっては限定的な要
 因でしかない」と述べたのは、それがこのうちの「経営手腕」を
 評価する基準の一部分だからです。

  従業員は経営者の「経営手腕」と「人間性」についておおむね

   1.無関心
   2.信頼
   3.心配
   4.懐疑的
   5.不信
   6.あきらめ

 という6種類の感情を抱いており、それぞれ上位へ行くほど信頼
 感が高い状態にあるといえます。

  実際に高いパフォーマンスを発揮している会社では、経営者の
 経営手腕と人間性に対して、そのどちらも1ないし2の高い評価
 を(従業員から)得ています。


  これらの評価水準を判別することは、コンサルタントのような
 社外観察者にとっては比較的容易ですが、経営者自らが判定する
 のは困難です。

  1.の無関心と6.のあきらめ とでは、従業員の言動などの
 反応行動が似通っている、といった点があるからです。


  経営者の中には「自分が評価者(評価する立場)である」とい
 う勘違いをしている方が大勢いらっしゃいます。

  実際には、経営者が一番大勢から評価されていますので、十分
 ご理解いただきたい。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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