タイトルロゴ大山祐史の経営コラム



   <本日のツボ257>
    『エースを前線に出したら』

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<ツボの説明>

  会社のエースが店頭など商売の最前線に出たら、お客さんとの
 接点が高性能になることによって、流れる情報量が変化する。

  発信する情報も入ってくる情報も増えるということ。

  売り上げの増加に対処するよりも、この情報量の増加に対処する
 ことのほうが肝心である。

  出す情報の整理と出し方・出すタイミングの検討とか、入って
 きた情報を取捨選択し、どの様に生かしてゆくかなどといったこと
 に関しては、前線のエースに任せ切りにはできない。

  商品や金と同様に、情報に関しても後方にいる兵站(ロジスティ
 クス)部門の働きが重要になってくるのだ。


  中小企業では、社長が「絶対のエース」とか「エースで4番」で
 あることが多い。社長自ら営業の先頭に立って活躍しているという
 パターンを非常によく見かける。
  人的資源を含め、あらゆる点で経営資源が少ないことが中小企業
 の特徴なので、そうなってしまうのはいたしかたないところである。


  事業が成長し会社が次のステップに入ろうとする時、この「絶対
 のエース」が前線から退かなければならないときがやって来る。

  そして「2番手エース」がかわりに前線に立つことになるのだが、
 そのとき意識しておかねばならないのが、先ほどの「兵站部隊」の事。

  社長がエースだったときには、特段この兵站部隊を意識する必要
 はなかった。情報の発信や収集・取捨選択は、社長が自分で行えば
 よいことだし、そもそも規模の小さい会社では、ほとんど全社員が
 社長の方を向いて仕事をしているから。


  社長にかわる2番手も、できればエース級を使いたい。ただし
 その場合、社員の視線がその2番手の方向を向くように調整を図る
 とともに、情報担当の後方部隊を整備することが必要となる。

  今までエースの座にいた社長が、社員の視線が自分からそれる
 ことを我慢することができないと、この2番手は、つぶれる。
  これ、よくあるケース。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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