タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2007年1月9日


   <本日のツボ262>
    『かるがも親子』

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<ツボの説明>

  社長から平社員まで、雁首並べて得意先周りをする姿があちこち
 で見受けられました。かるがもの親子みたいで可愛らし・・・・
 くもない方々もいらっしゃいましたね。


  そもそも、部長・課長・係長・ひら、という階層を設けるならば、
 それぞれに独自の機能があるべきです。

  実際の商談の過程で、下位の階層では決断できないことを会社に
 持ち帰り、上位階層の決済を受けるといったことは良く起ります。

  あなたの会社では、具体的にどのような事柄について上記のよう
 な上位階層による決済を行なっているでしょうか?

  値引きの決済?

  これ、とても多いパターンです。なかには「部長の出番は値引き
 の決済をするときだけ」なんてことをのたまう営業マンさえ実在し
 ます。「社長が一番安い値段で仕事を取ってくる」こんなぼやきも
 ときどき耳にします。

  このような声は、ほとんどが業績低迷・収益悪化に悩んでいる
 会社から聞こえてきます。


  偉い人ほど値引き巾が大きい会社 というのは、その偉い人たち
 が「自分の偉さを誇示するためのツール」として「値引きの決裁
 権限」を使っているのです。だから、職位が下位のものには値引き
 の権限を与えず、「俺に言えば安くしてあげられる」ということを
 一種の権威の証ととらえているのです。

  これ、矛盾です。

  営業の世界には、売り手と買い手のせめぎあいの中で比較優位に
 立った方が良い条件を獲得できるという法則があります。

  相手を圧倒した者が好条件での契約を得ることができるのです。

  だから、買う側から見ると「私には値引き権限がありません」
 と言って値引きを拒む平社員は「優位に立ちにくい相手」であり、
 「俺に言えば負けてやるよ」と言う部長さんは「与しやすい相手」
 となっています。

  ビジネスでは、一円でも高く売った者が偉いに決まっています。

  上位階層の者ほど「安く売ってくれる=与しやすい」会社という
 のは、その時点でビジネスの枠を外れてしまっています。だから
 利益が出ないのです。


  値引きのルール=最低販売価格とその適用条件 は、階層に関係
 なくすべての営業マンにあらかじめ(売りに行く前に)周知されて
 いなければならないものなのです。

  ビジネスとは「偉い人ごっこ」じゃないですから。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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