タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


   <本日のツボ271>
    『悩みも心配も人生の糧』

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<ツボの説明>

  70歳をとうに過ぎたある会長さん。膝の具合が悪くなって、
 歩く速度がめっきり遅くなってしまったのをきっかけに、二代目
 社長である息子さんから「もう会社に来なくてもいいから」と
 言われてしまった。

  息子さんにしてみれば決して悪気ではなく、永年会社の諸事に
 心を砕きこまごまとしたアドバイスをしてくれた先代に敬意を表し
 て、そろそろのんびりしてもらいたいという気持ちだった。

  だから、それから後は、親子で会話することがあっても会社の
 ハナシはほとんどせず、当たり障りのない世間話に終始するように
 心がけてもいた。

  ところが、そうするようになってほどなく、会長さんの行動に
 異変が現れる。

  さきほどしたばかりの話題でもういちど会話を始める、とか、
 一日中「眼鏡がない」といって家族を巻き込んで大騒ぎしておき
 ながら、夕食の支度ができたので呼んでみたら、知らん顔をして
 眼鏡をかけて食卓へやってくる、などという、いわゆる軽いボケの
 症状が頻繁に起きるようになってしまったのだ。


  会長さんにとっては、会社のことで色々と心配や悩み事を抱えて
 いたことが、人間として尊厳を保って生きてゆくためのエネルギー
 となっていた。

  そのことに気付いた息子さんは、なにかにつけて仕事に関する
 相談を父親に持ちかけるようにした。そうしたら、会長さんのボケ
 の症状はたちまち見られなくなってしまったという。

  社長さんにしてみれば、前にもまして父親から「ああしたほうが
 いい」とか「あの件は今どうなっているか?」などと細かい意見を
 言われるようになったものだから、本当のところわずらわしいなと
 いう思いもある。

  しかし、そういったわずらわしさや心配事、悩みなどの苦労が実は
 自分自身の生きる糧になっているのだということを理解したので、
 とりたてて苦にすることもなくやっていけるのだそうだ。


  分け合うことができるからこそ、どんな悩みや苦しみでも生きがい
 にすることができる。親子という関係に限らず、共有の問題として
 だれかと共に取り組むことができれば、どんなやっかいなことから
 でも、人はプラスのエネルギーをもらうことができる。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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