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  2006年2月14日


 <本日のツボ30>
   『絶対に正しいこと』

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<ツボの説明>

  ライブドア事件の報道をみていてよく耳にするコメント。

  「ルールを守れないような会社は上場させないようにしない
 と、投資家の信頼は得られない」

  ごもっともです。
 なかには、

  「法律だけでなくエチケットも守れる会社でなければ、上場
 などさせてはいけない」などと言い出す”評論家”先生まで
 あらわれました。


  正しいことを言っているのは間違いありませんが、そのよう
 な忠告はたいていの場合役に立たないことが多いと思います。


  たとえば、タバコを吸っている高校生に向かって「タバコは
 20歳になるまで吸ってはいけない」と言った場合、その言葉
 にどれほどの効果があるでしょうか?

  「絶対に正しいと思われること」ほど、言われた方は「そん
 なことわかってるよ」という受け取り方しかしないものです。

  「法律は知っているけれど、吸う」からには、「正しいこと
 をする」以外の理由があるので、「正しいこととはいえない」
 のを承知の上でやっているわけです。


  「絶対に正しいこと」はだれでも知っていることです。それで
 も世の中や会社では「あまり正しいとは思われないこと」がしょっ
 ちゅう起こっています。

  正しいことばかり言っている人も、世の中は絶対に正しいこと
 ばかりが行なわれているわけではないということを知っています。
  だから、家を留守にするときや寝る前には玄関に鍵を掛けます。


  トップが「絶対に正しいこと」ばかり言っている会社は、
 なんとなく社員の顔色が悪くて元気がないような気がします。

  「悪いことをしろ」とか「間違ったことを言うべきだ」と
 いっているのではありません。

  そういったことに対処するためには、「絶対に正しい」という
 気持ちをいったん封印して、「どうしてそんなことをするのだろ
 うか?」という好奇心の目を持って考えてみることも必要なので
 はないかと思われます。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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