タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

  2007年4月10日


 <本日のツボ319>
    『寿命が縮む』

-------------------------------------------------
<ツボの説明>

  ドクター中松こと中松義郎さんが発明したフロッピーディスク。
 8インチ規格の巨大なペラペラしたやつを、コンピュータの記録
 媒体として使っていましたが、その後少し小さくなって5.25インチ
 サイズになりました。

  その5.25インチサイズは、ほとんど普及する暇もなく3.5インチの
 ハードケース入りに取って代わられます。現在残っている3.5"FDD
 (3.5インチフロッピーディスクドライブ)で使用するフロッピー
 ディスクです。

  そして最新のパソコンには、その3.5"FDDも装着されていない
 場合がほとんどです。取り外し・持ち運び可能な記録媒体として
 便利で経済的なものが他にも色々出てきて、そういった新しい記録
 媒体に取って代わられたわけです。


  8インチフロッピーディスクの登場は1972年で、パソコンにFDD
 ナシのタイプが目立ち始めたのが2002年頃からですので、フロッ
 ピーディスクという商材の寿命は30年だったということです。

  あれほど普及していた3.5"フロッピーディスクだけを見ると、
 初登場が1981年で、その後1980年代半ばに80286チップ(CPUの種類
 です)を搭載した高性能パソコンが登場すると、それらのパソコン
 に標準装備として搭載され一気に普及を広げました。

  その頃はハードディスクが非常に高価で、パソコンは「ハード
 ディスクなし」のモデルが標準型でしたから、OSもアプリケー
 ションも3.5"フロッピーを使用して起動したものです。

 3.5"フロッピーの最盛期は約20年間だったわけです。


  「巨大ビジネス」といえるコンピューター記録媒体の世界で、
 ひとつのビジネスの寿命が20年で尽きました。

  今後ビジネスの寿命はますます短くなり10年〜20年後には、平均
 すると10年程度になる可能性が高いです。

  ビジネスそのものやそこで働く人の移り変わりが10年程度の短い
 サイクルで動く社会が、すぐそこまで来ているのです。

  そのときには、ビジネスの構成と人や組織の活かし方について、
 柔軟で効率的な方法を確立できている会社が生き残ります。

 -----------------------------------------------
 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。