タイトルロゴ大山祐史の経営コラム


 <本日のツボ386>
    『何を廃棄すべきか』

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<ツボの説明>

  部門の年度計画を策定するときというのは、なんらかの「新しい取り組み」
 を差し入れることが多くなる。

  前年とまったく同じ行動計画を策定し、それを忠実に実行することで前年を
 上回る業績を生み出すというストーリーは、往々にして説得力が不足しがちだ。

  したがって成長することを求められる組織は、前年とそっくり同じ行動計画
 を新年度の計画として承認してもらえるとは考えず、何らかの「新しい取り
 組み」を計画に組み入れざるを得なくなる。

  会社の場合、ほとんどの組織が成長することを求められるわけだから、この
 ことはほとんどすべての組織において習慣的に行われているといってよい。

  ビジネスプロセスを常に刷新・改善してゆくことのできる組織だけが高業績
 をあげ続けることができるという事実が、この現象の正当性を補強する。


  ここで注目してほしいのは、「刷新・改善」という言葉である。

  これは「古いものを新しいものに取り替える」「より良く変えてゆく」と
 いった意味であり「新しいものを追加する」というのとはちょっとちがう。


  組織のリーダーが犯しやすいのは、ここで「新しい取り組み」を追加したは
 良いが、追加しっぱなしで古いものを一つも捨てないという誤りだ。

  古いものをすべて残した上で新しい取り組みを追加した場合、全体の取り
 組みに対する密度は薄くなる。よって、新しい取り組みを追加しただけでは、
 現実にはなかなか業績向上につながらないのである。


  新しい取り組みとして何を行うかは、組織の存続にかかわる重要事項である。
 そしてそれと同じくらい重要なのが、新しい取り組みに高密度で関与するため
 には、従来の取り組みの中から「何を廃棄すべきか」という点なのである。

  これが、変革を続けそれにより高い業績を上げつづける組織の基盤となる。

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     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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