タイトルロゴ大山祐史の経営コラム




 <本日のツボ380>
     『マーケティングポリシーの徹底』

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<ツボの説明>

  ここにA社とB社という自動車会社がある。ともに「技術力と品質の
 高さ」を売りにしている。

  C社は自動車業界ではよく知られている機械部品メーカーで、A社B社
 両方に駆動系の精密部品を納入している。C社にとっては、A社もB社も
 それぞれ売上高の20%ほどを占める重要な得意先である。

  そのためC社では、営業や配達に使う社用車として、A社製の車とB社
 製の車の両方をほぼ同数ずつ購入し使用している。

  ところが、C社の営業マンのマイカーを見てみると、なんと全員がA社
 の車しか乗っていないことがわかった。


  理由は簡単である。「技術と品質」を謳っている両社の自動車だが、
 A社の設計部門と購買部門はC社が納入する機械部品に対して、「最高の
 材料を用い、最高の加工精度で製造してほしい。その上で価格はできるだけ
 抑えていただきたい」という要求を出してくる。一方B社の購買部門は、
 「もっとコストを抑えてほしい。そのためには要求する性能を満たす範囲で
 材質や加工精度を落としてもかまわない」と言ってくるのが常なのである。

  「高い技術力と品質で勝負する」というマーケティングポリシーが、
 設計や資材調達部門の行動にも反映されているA社に対して、B社の場合
 はおそらく、そういった言葉は広告と営業に使うものという位置づけに
 留まっており、設計や購買部門の行動を規定しているポリシーは「コスト
 カット」となっているのであろう。


  納入業者の営業マンは、どちらの車が真に「高い技術と品質」を持って
 いるかを判断することができ、結果的に全員がA社の車しか買わなくなっ
 てしまった。そして現代では、このような情報や判断基準は納入業者の
 内部情報として社内に留まることはなく、あっという間に世間に広まって
 ゆくのである。

  その結果は、市場占有率(シェア)となって現れる。
 マーケティングポリシーが全社に徹底されていないと、会社に危機を招く。

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     アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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