タイトルイメージ

 


 <本日のツボ93>
   『受け取る人がいるからこそ』

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<ツボの説明>

  仕事のストレスの原因にはいろいろなものがあります。私自身
 も、日常の色々な出来事からストレスを感じてしまい、それをど
 のように処理して元気に過ごせるか、日々苦心しています。


  人間の心というものは、様々な感情が複雑に絡み合って出来上
 がっていますから、何を喜びと感じるか、とか 何がその人にとっ
 てストレスになるか、などといったことは人それぞれです。

  そういった感情の根本的な特徴によって、その人の価値観や行
 動様式に一定の性質が与えられます。

  そして、その価値観や行動様式は、組織内においてそのチーム
 の業績達成能力に影響を与える要因となっています。


  この、感情の根本的な特徴を単純化して説明すると

  1.なにが根本的な「喜び」か
    a.受け取ることで喜びを感じる
    b.与えることで喜びを感じる

  2.環境への対応
    a.環境を柔軟に受け入れる
    b.環境を変えて行くために行動する

  3.発生した感情の行き先
    a.心の中で自分自身の気持ちを感じる力
    b.心情を周囲に対して表現してゆく力

  といった点になります。

  そしてそこには、女性はa.の性質が強く、男性はb.の傾向
 が強い という性差が存在しています。


  男性は「自分は頼りにされている」とか「自分は組織のために
 役立っている」という実感が喜び・やりがいにつながっている。

  逆に、男性の悩みの根本は、「自分はだれの役にも立っていな
 いのではないか」という思いに根ざしていることが多いのです。

  女性の場合は与えられれば与えられるほど幸福度が高くなりま
 す。これは、たくさん仕事が与えられれば嬉しいという意味では
 なく、愛情や気遣いといったものをたくさん与えられたいという
 ことです。「自分は大切にされている」という実感がやりがい・
 働き甲斐につながってゆきます。

  女性の悩みについては、多くの場合「私は愛されていない」と
 いう愛情欠乏感がその根本にあります。


  男性は「与える側」女性は「与えられる側」という役割がうま
 くいかなくなると、人間関係がおかしくなってきます。

  愛情をうまく受け取ることができなくて、仕事中毒のように仕
 事にのめりこんでしまう女性や、与えてゆく自信をスッカリ失っ
 てしまい、ひきこもりになって親の愛情を受け入れるだけになっ
 てしまう男性などです。

  仕事もせずに毎日パチンコ屋通いをするだけの男と、そんな男
 にお金を貢いで世話を焼いてしまう女性、というパターンも、こ
 の役割関係が逆転してしまっている例ですが、こういった関係は
 まず破綻してしまうものです。


  いくら「男女平等社会」であるといっても、チーム内での男女
 の役割がまったく同じであるという考え方でマネージメントを行
 なおうとすると、思わぬときに人間関係のトラブルに見舞われる
 ことがあります。

  この男女の役割というのは、一対の不可分なペアであると考え
 るのが妥当です。

  受け取って喜んでくれる人がいるからこそ、与える喜びが大き
 くなる。

  世の中が与えたがる人ばかりだったり、もらいたがる人ばかり
 だったとしたら、そこにはまともな人間関係はできません。


  チーム力の向上には、どちらの力も重要であると考えます。
 この両方の力をうまく引き出したときに、双方の満足感はピ−ク
 となり、その充実感とともに組織力は高まってゆきます。

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