タイトルロゴ大山祐史の経営コラム

 


 <本日のツボ105>
   『何を変えたかが問題』

 ------------------------------------------------
<ツボの説明>

  何らかのトラブルに見舞われたときというのは、できるだけ迅
 速に対処したいものです。

  すばやい対応が不具合の流出を最小限にとどまらせ、コスト的
 に最少の負担で処理することにつながるからです。

  対応が遅れれば遅れるほど不具合が先の段階へ送り出されてし
 まい、経済的な損失は加速度的に大きくなってゆきます。


  このことは物づくりの業種にだけ当てはまるわけではありませ
 ん。サービスや流通といった仕事の上でも、不具合・トラブル・
 クレームといったものは日常的に発生し得るものです。


  こういう問題というのは、意外なことにそれまで何の問題もな
 く順調にいっていた部門や製品に突然ふりかかってくることがよ
 くあります。

  もともとあまりうまく行っていない仕事に対しては、自然と注
 意を払うことが多くなるので、「突然トラブった」という感じ方
 はあまりしないものです。

  なので、うまく行っていたことほど、何か起こったときには青
 天の霹靂のような感じ方になり、にわかには信じられないといっ
 た反応をしがちになるのもうなずけます。

  そういうときほど、「そんなはずはない」「何かの間違いでは
 ないか」といった思いが先行して、対処が遅れたりなかなか原因
 を特定できなかったりといったことが起こりやすくなります。

  いうまでもなくこういったことは、そのトラブルを処理するた
 めのコストを増加させる要因となります。


  突然襲ってくるトラブルにすばやく対処できる組織を目指すう
 えで、私が最も重視している点は、「何を変えたのかを洗い出す」
 ということです。

  それまで順調だったことが突然トラブルに見舞われた場合、現
 場の担当者たちはほとんどの場合口をそろえてこういいます。

  「何も変わったことはしていません。いつもどおりです」

  でも、その言葉は信じてはいけないのです。


  部下や担当者を疑えといっているのではありません。「何もし
 ていない」とか「全く同じです」という言葉の意味には、広い巾
 があることを理解することが必要だというだけのことです。

  ゴルフで「ナイスショット」を飛ばしたときと、OBや池ポチャ
 をしでかしたときとでは何が違いますか?

  「まったく同じスイング」で打っているつもりでも、ボールは同じ
 ところには止まりませんよね?


  突然発生したトラブルにも必ず理由があります。そしてその理由
 というのは、ほぼ100%「うまく行っていたときとは違う何か」です。

  いつも頼んでいる運送会社のドライバーが変わった、などといっ
 たことがクレームの原因になることなどは、珍しいことではあり
 ません。


  現場が行なった改善活動も「何か」のうちのひとつです。

  ある工程の精度を上げるために行なった改善が、別の部分で品
 質に変化を起こさせていた、というような事例は大変多くみられます。


  何かいままでと違うことをしたはずだ、という見地に立ち、「何を変
 えたのか」を洗い出すことが、トラブルの真因を発見する近道です。

--------------------------------------------
<PR>推薦書籍「最強のモノづくり」<PR>
 中国・アジアより、良いモノを安く速く、儲かるように造る…。営業・生産・
 物流・販売…の全部門にわたって、全体最適で利益を生み出す具体手法とは。
 これからのメーカー経営の方向性と世界と戦えるモノづくりを明快に提示。
 いまなお指名買いが続く、話題の経営実践書。
 http://www.jmca.net/books/monozukuri/ad.php?&id=129
定価:15,750円(税込)のところ、特別割引価格14,175円(税込)
 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


  本コラムの内容は、大山祐史によるものであることを明記する
 限りにおいて、引用・転載は自由です。