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 <本日のツボ59>
   『価値観ギャップ』

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<ツボの説明>

  世の中には「利益率の高い会社」と「利益率の低い会社」の両方
 が存在すしている。

  原価に適正利潤を付加して販売価格を決めるという方法で価格
 決定を行なっていれば、だいたいどんな会社も似たような利益率
 になるはずなのに、どうして格差が生じるのだろう?

  実は、利益率の高い会社は、原価をベースにした価格決定を行
 なっていない。

  いくらなら売れるかを徹底的に調査し「取れる値段」の上限を
 見出している。さらに、需給者間の価値感ギャップを利用して、
 供給者にとっては価値が低い(=低コストで調達可能)ものを、
 需要者にとって価値が高い(=高く売れる)形に変革することを
 ビジネスモデルとしている。


  たとえば、世界中に展開しているスターバックスのコーヒー店は、
 どこの都市の店でもほぼ、コーヒー1杯の価格としてはその国の
 人々が支払い得る最高の価格を設定している。

  その価格をお客さんが受け入れる理由は、コーヒーの味・外観、
 店の雰囲気や商品を提供するプロセスなどであり、それらがお客
 さんにとっては「支払う価値があるもの」と評価されている。

  一方店側にとって、それらの顧客価値は計画的に作り出されて
 はいるが、おおむね原価を掛けて生み出されているものではない。
  店舗設計から商品の作り方、サービスの仕方などに関するノウ
 ハウによって付加されている部分が大きい。


  つまり、店側にとってはコストがあまりかからない(価値が低
 い)ものを多く供給しているが、それがお客様の側から見ると、
 多少お金を余計に払ってもよいと思える価値に変わっていると
 いうことになる。

  ここには「原価に利益をプラスして売値を決める」という発想
 はまったくない。

  あるのは「売る側と買う側の価値観ギャップ」だけ。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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