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  2006年4月18日


 <本日のツボ89>
   『使い道はある』

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<ツボの説明>

  消費者金融、いわゆる「サラ金」の貸金サービスの中には、使
 いようによっては便利に使えるものがあります。

  たとえば、期間限定の無利息キャッシングサービス。

  これは、「借入残高がゼロの人なら、7日以内に返済すれば
 利息はかからない」といったような条件付の無利息サービスです。

  条件については各社各様ですが、優良顧客(約束どおりきちっ
 と返済する能力がある顧客)の見極めと囲い込みを目的としたサー
 ビスですので、何らかの形で実施しているところが多いようです。


  土曜日の夜、飲みすぎて終電を逃してしまったらときに、たま
 たま現金の持ち合わせが無かったとします。

  コンビニなどのATMで銀行預金を引き出すと、最低105円
 の手数料を取られると思います。月曜日の朝まで待てば手数料ゼ
 ロで引き出せるのに、休日や時間外には105〜210円の手数
 料が発生してしまう。

  これは、必要なタクシー代が1万円だったとすると、土曜日の
 夜から月曜日の朝まで、約2日間で1.05%のコストがかかっ
 た計算になります。
  1年間の金利に換算すると365÷2X1.05% ですから、
 なんと191.6%です。


  こんなとき、冒頭に書いた「ゼロ金利」サービスを受けられる
 貸し金業者のカードがあったらどうでしょうか?

  まよわずタクシー代を借りて、翌週の金曜日までに返済すれば
 利息はまったくかかりません。


  ゼロ金利サービスが適用されなくても、3日程度で返済できる
 ことが確実であり、なおかつ必要な額が1万円程度の小額であっ
 たとしたら、銀行預金を時間外に引き出すよりも業者キャッシン
 グの方が低コストになります。

  たとえば、適用金利29%の消費者金融から、土曜日に1万円
 借りて月曜日に返済するとします。この場合、3日間分の利息が
 適用されたとして、利息は約24円です。


  単純な経済性の問題ですし、銀行ATM手数料の105円と
 利息の24円に重大な差があると言っているわけではありません
 が、理論的な損得計算を行なう習慣と「どちらかが一方的に悪い
 ということは滅多にない」というバランス感覚を身につける上で、
 社会人になりたての人たちに意識しておいてもらいたい考え方だ
 と思われます。


 ※最近、普通銀行のATM時間外手数料や振込手数料が多様化し
  てきています。なかには時間外手数料が無料になるような優遇
  サービスもありますから、上で述べたようなことがどなたにも
  必ずあてはまるというわけではありません。

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 アドバンマネジ経営コラム by 大山祐史


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